人に優しく、安全で質の高い、誰もが納得する医療を目指して...

医師会会長挨拶

綾歌地区医師会会長
綾歌地区医師会長
溝渕 博司

ご挨拶

平成28年5月の第6回定時社員総会において、4期目の医師会長に選任され、改めて責務の重大さを痛感しております。

前期より継続して取り組んでいる幾つかの課題があります。

まず、平成24年に策定された「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」を受けて、平成26年度から当医師会と綾川町の協働で、綾川町における「認知症ケアパスの概念図」や、かかりつけ医と認知症サポート医が双方で情報のやり取りできる「認知症医療連携シート」を作成し、認知症ケア全体の流れを纏めました。
平成27年に入ると、医療介護連携が中心だったオレンジプランから、認知症高齢者らの地域づくりを推進する新オレンジプランに、急遽修正されました。今後の認知症施策に対応するため、同年8月認知症対策委員会を立ち上げ、認知症サポート医を中心に月一回程度の委員会を行なう事と致しました。同委員会での充実策として、平成28年度中に初期集中支援チームの配置や認知症早期発見のための初期把握シート(セルフチェックシート)の作成など、また地域の受け皿づくりも重要であり、利用者に対して多職種連携で支えるケアマネジメントや、地域のネットワークづくりのため、「個人への支援」と「地域への支援」を一体的に展開することにより、「社会的孤立」状態にある人達への有効なアプローチになると考えています。

一方、在宅生活を継続していくためには、医療・介護保険制度の充実がなければ、地域包括ケアシステムを進める事はできません。最期まで在宅で暮らし続けられるよう、介護保険では、特に24時間体制の居宅介護サービスの充実が急務であり、また医療保険では、緊急時にも対応ができる体制、つまり「在宅療養支援診療所・病院」の機能強化や、「かかりつけ医」による往診や在宅医療の充実が不可欠であります。更に在宅医療を行う医療機関の増加や、医療従事者の確保と質向上を促進する必要もあります。只、地域の「かかりつけ医」は、「主治医」であっても、「かかりつけ医」ではない場合が、少なからずあるという現実も否めません。それにしても、在宅医療における自宅での「看取り」の増加は、今後の多死社会における医療・介護の在り方を指し示すものと考えられます。

次に、最近浮上してきた在宅医療・介護連携推進事業は、主体が市町で、平成30年4月迄に実施されることが決まりました。当医師会は、地域の実情に応じた医療・介護を一体的に提供できる体制を構築するため、地域の医療・介護関係者等の相談支援として、在宅医療・介護推進センター設立に向けて、高松市、丸亀市並びに綾川町に働き掛けている所であります。

また、平成26年12月から中讃保健福祉事務所との協働で、当医師会エリアの歯科医師会、薬剤師会並びに綾川町、丸亀市等と連携して、多職種による糖尿病発症予防に関する取り組みを協議し、纏めとして県民に対して公開講座を行いました。そして、本年4月からは糖尿病だけでなく、生活習慣病すべてを対象に協議を行う事とし、今までの「啓発活動」に加え、「実際に行動を起こし、実践を促す」という事に重点を置き、多職種連携が「顔の見える関係」だけでなく、「何か次に繋げることができる関係」を構築するために、当医師会の役割が重要であると考えております。

このように当医師会は、様々な課題に取り組みながら、住民の皆様に信頼される医療が提供できるよう、共に歩んで参りたいと思いますので、ご理解とご協力の程、よろしくお願い致します。

以 上

平成28年5月
綾歌地区医師会 会長 溝渕 博司

このページの先頭へ